2025.3.28(金)
シネスイッチ銀座シネ・リーブル池袋
UPLINK吉祥寺他にて
全国順次公開

ジャスミン・トリンカ  レイラ・ベクティ 
ラファエル・ソンヌヴィル=キャビー 
ラファエレ・エスポジト ピエトロ・ラグーザ アガト・ボニゼール
セバスティアン・プドゥル ラウラ・ボレッリ 
ナンシー・ヒューストン

監督・脚本:レア・トドロフ 
脚本:カトリーヌ・バイエ 撮影:セバスティアン・ゲプフェール 照明:エティエンヌ・ルシュール
編集:エステル・ロウ 音楽:メル・ボニス
プロデユーサー:グレゴワール・デベイリー、カルロ・クレスト・ディナ、ヴァレリア・ジャモンテ、
イラリア・マラグッティ、マヌエラ・メリッサーノ

2023年/フランス・イタリア/イタリア語・フランス語/99分/1:1.85/5.1ch/
原題:Maria Montessori (La Nouvelle Femme)/© Geko Films – Tempesta – 2023
字幕:杉本あり

配給:オンリー・ハーツ
協力:国際モンテッソーリ協会(AMI)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
イタリア大使館/イタリア文化会館

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子どもの権利のために闘う
それが私の運命

Amazon創業者ジェフ・ベゾス、Google創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、シンガー・ソングライターのテイラー・スウィフト、将棋の藤井聡太などが受けたことでも注目されるモンテッソーリ教育。その生みの親であり、イタリア初の女性医師、そして未婚の母でもあったマリア・モンテッソーリ(1870-1952)。彼女が自らの教育実践の場として1907年「子どもの家」を開設するまでの試練と歩みの7年間を描く。それは、心の自律を信じ、勇気をもって新しい時代を切り開いた、ひとりの女性の宿命の物語。

STORY

20世紀初頭のローマで、マリア・モンテッソーリ(ジャスミン・トリンカ)は、ある「成功者」と出会う。フランスの有名なクルチザンヌ(高級娼婦)であるリリ・ダレンジ(レイラ・ベクティ)だ。リリは娘の学習障がいが明るみに出そうになったとき、自分の名声を守るためにパリから逃亡してきたのだ。マリアはこの時期すでに画期的な新しい教育法の基礎を築いていた。リリはマリアを通して、娘はただの障がいのある女の子ではなく、強い意志と才能を持った人として、ありのままの娘を知るようになる。マリアに共鳴したリリは、男性中心社会の中でもがくマリアの野望の実現に手を貸す。

リン・ローレンス国際モンテッソーリ協会事務局長コメント

これは、マリア・モンテッソーリが、人間形成と教育についての見解と洞察を形成するのに役立った、画期的な年月を描いた特別な映画です。
この映画は、社会が彼女に課した挑戦…男性優位の世界で若い医師として、科学者として、そして新しい母親として…を見事に捉えています。
レア・トドロフの繊細な演出には真正性があります。必見です!

レア・トドロフ監督コメント

私は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の進歩的教育に関する歴史ドキュメンタリーを制作していた時に、初めてマリア・モンテッソーリについての本を読みました。
イタリア初の女性医師、国際的な有名人、神話、そして人々を魅了する存在であった彼女の人生のロマンティックな側面に強く惹きつけられました。
1870年に生まれた女性にとって、世界を征服するには、ただ聡明で才能に恵まれているだけでは十分ではありません。鉄の意志、揺るぎない決意、並外れた成功への夢も必要でした。しかし、当時の時代と自身の性別による強力な社会的決定論から逃れるためには、何よりもマリアにとって最も大切なものを手放す必要がありました。それは、婚外子として生まれた息子マリオです。もし彼女がマリオを正式に認知していたら、キャリアを犠牲にしなければならなかったでしょう。
しかし、この映画を制作するきっかけとなったターニング・ポイントは、私の娘の誕生でした。娘は遺伝性の病気を持って生まれ、私はすぐに、母親になるだけでなく、特別なニーズを持つ子どもの母親になるのだということを理解しました。
私は、そのような子どもたちの存在が十分に表現されていないことに苦しみました。ハンディキャップと向き合う中で、私はドキュメンタリーを制作する際に、20世紀初頭の様々な教育者の著作を数年間にわたって研究したことを思い出しました。自分の娘を前にして、この知識は理論の域を超え、現実のものとなったのです。
私自身の必要性によって、このテーマへの関心が再び呼び起こされました。これが、マリア・モンテッソーリの物語が生まれた経緯です。

監督:レア・トドロフ
1982年パリ生まれ。
パリ、ウィーン、ベルリンで政治学を学び、その後ドキュメンタリー映画の助監督として働き始める。2012年初のドキュメンタリー「Saving Humanity during Office Hours」を監督。
14年には「Russian Utopia」を共同監督。15年にジャンナ・グルジンスカ監督のオルタナティブ教育をテーマにしたドキュメンタリー「School Revolution: 1918-1939」の脚本を執筆。そして遺伝性疾患を持って生まれた娘の誕生が本作制作への決定的な契機となる。「マリアに関する記述をできるだけ正確に保とうとした。台詞は変えたが、一言一句が彼女の考えに真に対応しているものにしたかった」と語る彼女の初監督長編劇画。母ナンシー・ヒューストン(1953-)は著名な小説家で、本映画にもマリアを助ける富豪女性ベッツィ役で出演。父ツヴェタン・トドロフ(1939-2017)は著名な思想家・哲学者・文芸批評家

音楽:メラニー・ボニス(メル・ボニス)

1858年パリ生まれの女性作曲家(1937年没)。当時作曲は女性の仕事とは考えられていなかったので無用な差別を避けるために中世的な「メル・ボニス」名義で盛んな創作活動を繰り広げる。パリ音楽院で出会った詩人でジャーナリスト、音楽評論家の青年と結婚しようとするが両親に阻まれ25歳年上の実業家と結婚、3人の子供を出産。その後青年と再会し4人目の子供を出産するが、隠し子としてして手放さざる得なかった(マリア・モンテッソーリと似ている)。没後60年間ほぼ忘れられていたが、20世紀末に、鍵盤楽曲と室内楽曲を中心に再評価が進み、声楽曲も再発掘されつつある。美しく印象的な旋律が特徴的。

CAST

ジャスミン・トリンカ(マリア・モンテッソーリ)

ローマ大学在学中の2001年、ナンニ・モレッティ監督『息子の部屋』のイレーネ役で映画デビュー。
2年後にはマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『輝ける青春』、2005年にはジョヴァンニ・ヴェロネージ監督『イタリア的、恋愛マニュアル』、ミケーレ・プラチド監督『野良犬たちの掟』に出演。
2009年にミケーレ・プラチド監督『Il grande sogno』でヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。
2013年、ジョルジョ・ディリッティ監督『いつか行くべき時が来る』とヴァレリア・ゴリノ監督の『ミエーレ』の主演を務め、いずれもナストロ・ダルジェント賞を受賞した。
2017年にはセルジオ・カステリット監督『フォルトゥナータ』で主役を演じ、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で演技賞を受賞、その後、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とナストロ・ダルジェント賞も受賞。
最近では、シモーネ・ゴダノ監督『泣いたり笑ったり』(ゴールデングローブ賞主演女優賞)、フェルザン・オズペテク監督『幸運の女神』(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とナストロ・ダルジェント賞で主演女優賞)に出演。
2020年に初監督の短編映画『BMM – Being My Mom』がヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門でコンペティション上映され、長編映画監督デビュー作『Marcel!』は、2022年の第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションとなった。

レイラ・ベクティ(リリ・ダレンジ)

1984年フランス生まれのアルジェリア系フランス人女優。
彼女のキャリアは2005年、友人たちの説得で、ヴァンサン・カッセル主演『変人村』に出演したことから始まる。
2009年にジェラルディン・ナカシュと出会い、彼女の映画『Tout ce qui brille』に主演したことでキャリアは本格的に始動。セザール賞有望若手女優賞を受賞し、映画は130万人以上を動員した。
私生活では、2009年のジャック・オディアール監督『預言者』の撮影で出会った主演のアルジェリア系フランス人俳優タハール・ラヒムと結婚し4人の母親でもある。
ガザ地区の子どもたちの状況に対する認識を高めるためにユニセフと協力するなど、さまざまな活動にも参加している。

WHAT’S
MONTESSORI?

モンテッソーリ教育とは

子どもには自らを育てる力が潜んでいるとモンテッソーリは気づいた。それを邪魔せず、援助することが大切な大人の役割で、それを“Aid to Life” つまり生命が育つ援助と呼んでいる。現在、モンテッソーリ教育は子どもに限らず、世界では小学校、中学校、そして人生の最期の認知症を患う高齢者ケアにまで広く応用されている。

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